この数年は、終活をされているお客様がとても多くなったように思います。
郷里のお墓の引っ越しや、墓じまいなどのご相談が増えてまいりました。
弊社では永代供養墓の受付をさせていただいていることもあり、ご先祖様やご自身のお墓について皆様とても熱心です。
本日のお墓の移動は、このようなお客様のご依頼とは違っていました。
お檀家さんの墓地内が陥没するので一度見て欲しいという寺院様からのご相談でした。
40数年前に他の墓石店さんでお墓を建てられたのですが、20年位前にも墓地内に穴が空き一度修理をされたそうです。
最近になって、また穴が空いて困っておられました。
「何度も修理をするのは嫌なので一度しっかり見てください」との事でした。
墓石の横側に大きな穴があり、納骨室の中も半分深い穴が空いていました。
掘ってみなければ解りませんが、ある程度は原因を予測していました。
別の墓石店さんが20年前に直したとのことですが、幸いに代替えできる墓地がありましたので、弊社では墓地の場所を移動することをおすすめいたしました。
代替え墓地は20~30メートルの移動でしたが、巻石・墓石ともにそのままの寸法で使用できます。
墓石を解体し、納骨室の中を十分確認できる状態にしてから、ご遺骨の下の土も一緒に救うようにしてお骨を上げさせていただきました。
境内墓地の中には、ご親戚の方のお墓が沢山建っているそうで、棹石(一番上の縦長の石)の前に立てる水塔婆立てが、すぐに一杯になるそうです。
今まで使っていた水塔婆立てが折れていたこともあり、製作所に依頼して水塔婆を差し込む部分が2カ所(2倍)の物を溶接して特注していただきました。
昨日は1時間ほどかけて、あらかじめ墓石の文字の中を「割り箸」と「爪楊枝」を使い掃除をしておきました。
こまめに掃除をされていたお客様でしたので、とてもキレイなお墓でしたが、やはり「〇〇家之墓」の文字の中には、所々40数年分の汚れが蓄積していました。
死亡年月日・俗名・享年のところは、爪楊枝で掃除をしました。(コンビニでお弁当を買うと、無料でいただけるワンセットです)
作業を見に来られたお客様は、文字の中がキレイになっているのを見て驚かれていました。
掃除方法を熱心に尋ねられましたが、こればかりは近道がなく、ただ黙々と割り箸で汚れを擦り落とすしかございません。
来月はお彼岸でお墓参りをされる方も多いと思います。
もしも、このブログをご覧の方がおられましたら、ご先祖様のご供養と思って文字の掃除にもチャレンジしてみてください。
お墓の引っ越し作業は無事完了しましたが、石の交換などは一切ないにも関わらず、見違えるような雰囲気のお墓になりました。
京都市南区西九条蔵王町11