お墓参りの方からのご質問で一番多いのが「お墓の掃除の仕方」「文字の中の掃除の仕方」です。
お盆やお彼岸の前になりますと、テレビなどで「お墓は納骨されている人”そのもの”だから、頭から水をかけるようなことをしてはいけません」と専門家の方が解説をされている番組を拝見したことがあります。
「あなたも頭から水をかけられたら嫌でしょ!濡らしたタオルで拭いてあげないと可愛そう・・・(ハッキリ覚えていませんが、このような印象)」とのことでした。
筆者も突然頭から水をかけらるのはゴメンですが、これらの報道のおかげで、お墓に水をかけてはいけないと思いこんで、お墓参りをされている方が非常に多いのです。
知り合いのご住職は「お墓は亡くなられた方のお家でしょ。だから汚れはよく洗い流してから拭いてあげれば良い」と仰っています。
土葬していた頃はともかくとしまして、お墓の多くは家族で使用できるように配慮された構造になっています。
お墓の掃除については”あまり神経質にならずに、ご先祖様が眠るお家として汚れを良く洗い流してから綺麗に拭いてあげる”方が、何となく健全なような気がします。
墓地でお客様とお話をさせていただく際に、「文字の中がなかなかきれいにならないけど、皆さんはどうされてますの?」とお尋ねになる方が多いです。
個人的には、多少の汚れは、そのお墓の歴史のようなきがしていますので、新品のようにする必要はないと思っています。
文字の中を歯ブラシで擦っている方をお見かけします。
気をつけて掃除をしていただきませんと、正面の「〇〇家の墓」の「家」の左下の2本のヒゲみたいな部分や石が細くなっている部分が折れてしまうことがあります。
歯ブラシは文字の中まで入りやすい形をしています。
ただ、「柄」が硬いために墓石を折損されることがあります。
筆者は、お墓参りの際には割り箸を併用して文字の中を掃除しています。
文字幅の広いところは歯ブラシも使いますが、割り箸の先をコンクリートなどに擦りつけて削りながら太さを変えて使っています。
擦っているうちに先端が良い具合に毛羽立ってきて徐々に使いやすくなってきます。
割り箸は濡れると良い感じにしなってくれますので、墓石への負荷もあまりありません。
もしもご用意をされる場合は、竹製の高級な割り箸ではなく一般的な割り箸をお使いください。
京都市南区西九条蔵王町11