ご住職から「訪れた人が、またお参りをしたくなるようなもの、印象に残るようなもの、他のお寺にはあまり無いようなものを考えてほしい。」とのご依頼がありました。
こちらのお寺は綺麗なお庭ですので、お庭が引き立つような造作をしてもあまり目立たないように思いました。
本堂の前に趣のあるものを置いた方が、それらしくはなります。
ただ、「らしい」というだけで、私としては何だか物足りない気がしてなりませんでした。
ずーっと考えて、たどり着いた答えが、「子供の笑顔に優るものは、あんまり無いかな?」ということでした。
ただし、お寺らしくということも踏まえなければなりません。
そこで、ご住職に「本堂の前でお参りをするときに何かを叩くというのはおかしいですか?」とお尋ねしました。
問題ないという事でしたので、音色を模索したところ香川県に丁度良い石がありました。
その石を使い「ご挨拶の鐘」「祈願の鐘」という意味で本堂前に設置させていただきました。
ご両親に言われて恥ずかしそうに叩く子供もいれば、キャッキャ言いながら叩く子もいます。
大人の方は、誰も見ていないか確認をしてから叩く人もおられました。
イタズラをする訳ではないので、堂々と叩いていただければよいのですが、何だか一瞬だけ童心に戻られているような気がしました。
鐘の横には、発見した子供達が笑顔になっていただけることを願い、猫の置物も置かせていただきました。
小さな猫ですが、ずいぶん人気があるようで、沢山の方々が写真を写したりインスタにも上げていただいたりしているようです。
京都市南区西九条蔵王町11